年度 |
2010年度 |
開講部局 |
理学部 |
講義コード |
HJ530000 |
科目区分 |
専門教育科目 |
授業科目名 |
基礎無機化学 |
授業科目名 (フリガナ) |
キソムキカガク |
英文授業科目名 |
Fundamental Inorganic Chemistry |
担当教員名 |
井上 克也 |
担当教員名 (フリガナ) |
イノウエ カツヤ |
開講キャンパス |
東広島 |
開設期 |
1年次生 後期 |
曜日時限 |
水 1時限,2時限 |
講義室 |
理E104 |
授業の方法 |
講義 |
授業の方法 【詳細情報】 |
講義中心、演習中心、板書多用、ディスカッション、学生の発表、野外実習、作業、薬品使用 |
単位 |
2 |
週時間 |
2 |
対象学生 |
1年次生 |
授業のキーワード |
原子の基本的性質,電気陰性度と電子親和力,原子とイオンのサイズ, 結合力, 混成軌道とVSEPR則 |
教職専門科目 |
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教科専門科目 |
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プログラムの中での この授業科目の位置づけ | 「基礎化学A, B」と2年次以降の「無機化学I, II, III」の橋渡しとして無機化学の基本的な考え方を修得する。 |
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到達度評価 の評価項目 | 化学プログラム (知識・理解) ・物理化学,無機化学,有機化学の基礎的知識の徹底した理解と習得 |
授業の目標・概要等 |
これから学ぶ本格的な無機化学の学習に必要な基礎的事項について講義する。 |
授業計画 |
第1回 序論 高校までの化学の一例としてダニエル電池をとりあげ, 無機化学の立場としてこの起電力がいかにして発生するのかについて解説し, 大学での無機化学の講義が何を目指しているのか,を理解する。 第2回 原子構造と電子構造の概略, 原子模型, 量子数と軌道, 動径分布と貫入, 遮蔽 第3回 周期表の成り立ち, 電子配置, パウリの排他則とフントの規則 第4回 イオン化エネルギーと電子親和力の周期的変化, 不活性電子対 第5回 電気陰性度の周期的変化, 単体と化合物の結合性の周期的変化 第6回 酸化数と原子価, 超原子価, 遷移金属の酸化数と原子価 第7回 原子サイズ, イオンサイズの周期的変化, van der Waals半径, イオン半径, 金属結合半径, ランタニド収縮 第8回 典型元素間の共有結合の強さを支配する因子 同じ周期で族が変化した場合, 同じ族で周期を下がったとき 遷移金属の結合 第9回 原子価結合法と化合物の構造 VSEPR則による分子構造の推定(1)-オクテット則を満たす化合物 ルイス構造とオクテット則, 共鳴の概念 第10回 VSEPR則による分子構造の推定(2)-超原子価化合物, この規則に合わ ない化合物, 金属錯体 第11回 簡単な分子軌道法による共有結合性化合物の結合と構造 H2, O2, N2, BX3, H2O, NH3 第12回 ブレンステッド酸・塩基, 酸・塩基の強さを支配する因子 第13回 ルイスの酸・塩基 硬い酸・塩基, 軟らかい酸・塩基, HSABの原理 第14回 酸化と還元, 酸化還元電位を支配する因子, Latimer図 |
教科書・参考書等 |
教科書:はじめて学ぶ大学の無機化学, 三吉 克彦著, 化学同人 参考書:特に推薦はしない。無機化学の教科書は多種出版されており, それぞれに特徴がある。各元素の性質を族ごとに解説したものと, 構造・結合を中心に解説したものがある。前者はどうしても分厚くなり, 後者は物理化学的色彩が強くなる。 |
授業で使用する メディア・機器等 |
テキスト,配付資料,音声教材,映像(ビデオ/PC/その他画像資料) |
予習・復習への アドバイス |
下記の教科書にほぼ即して講義を進めるが, 無機化学のもう一つの柱である固体化学については別の講義が準備されているので本講義では触れない。また, 時間的制約もあるので, 教科書の中でも最重要と思われる項目について詳しく解説する。教科書の演習問題は理解力の診断に使え, 章末問題は少しレベルが高いが挑戦してみて欲しい。 第2-4回授業 基礎化学や基礎物理化学と重複する事項もあるが, 無機化学の立場としてこれらの項目を再認識することは今後の学習に役立つ。
第5-8回授業 主として元素そのものの性質に関して学習するが, 特に周期性との関連が重要である。
第9-11回授業 共有結合性の無機化合物の構造を理解する。まず原子価結合法に基づくVSEPR則を使いこなし, その限界も知っておく必要がある。続いて分子軌道法による解説をするが, 極簡単な分子に限って取り扱う。本格的な分子軌道法は学年が進んで開講される。
第12-14回授業 化学反応の2つのパターンは酸・塩基反応と酸化還元反応(電子移動)である。高校でも登場するので馴染みはあるが, もっと一般化した立場で理解することが肝心であり, 無機化学だけでなく化学全般に重要な項目である。 |
履修上の注意 受講条件等 |
高校までの化学と比べ, 覚えるのではなく, 考えて理解することが肝要であり, できるだけはやくそのような学習形態に慣れて欲しい。 |
成績評価の基準等 |
授業成績の80%は期末試験で評価し,出欠も加味する。必要に応じて中間試験ないしは小テストを行う。また, 講義で出題する練習問題も参考にする。なお,学内規約により授業全体の1/3以上を無断欠席の場合,成績評価できない。 「知識・理解」および「知的能力・技能」は,主に期末試験と小テストで評価する。 |
メッセージ |
講義は教員と受講生とのコミニュケーションの場である。講義中での受講生の活発な発言を期待している。 |
その他 |
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